HONEN-IN



善気山 法然院 萬無教寺


法然院の歴史

鎌倉時代の初め、専修念佛の元祖法然房源空上人は、鹿ヶ谷の草庵で弟子の安楽・住蓮とともに、念佛三昧の別行を修し、六時礼讃を唱えられた。1206年(建永元)12月、後鳥羽上皇の熊野臨幸の留守中に、院の女房松虫・鈴虫が安楽・住蓮を慕って出家し上皇の逆鱗に触れるという事件が生じ、法然上人は讃岐国へ流罪、安楽・住蓮は死罪となり、その後草庵は久しく荒廃することとなった。江戸時代初期の1680年(延宝8)、知恩院第三十八世萬無和尚は、元祖法然上人ゆかりの地に念佛道場を建立することを発願し、弟子の忍澂和尚によって、現在の伽藍の基礎が築かれた。

浄土宗内の独立した一本山であったが、1953年(昭和28)に浄土宗より独立し、単立宗教法人となり現在に至っている。通常伽藍内は非公開であるが、毎年、4月1日から7日までと11月1日から7日までの年2回、伽藍内部の一般公開を行っている。


法然院の境内


白砂壇(びゃくさだん)
Byakusadan-Terrace of White Sand

山門を入ると、両側に白い盛り砂がある。水を表わす砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味している。



講堂
Lecture hall

もとは1694年(元禄7)建立の大浴室であったが、1977年(昭和52)に内部を改装し、現在は講堂として、講演会・個展・コンサートなどに利用されている。



本堂
Main hall

1681年(延宝9)5月に客殿造りの堂宇がまず完成し、1688年(貞亨5)再建の時、佛殿と拝殿を別設した。堂内には、本尊阿弥陀如来坐像の他、観音・勢至両菩薩像、法然上人立像、萬無和尚坐像を安置している。本尊前の須弥壇(直壇)上には、二十五菩薩を象徴する二十五の生花を散華している。



経蔵
Repository of Buddhist Scriptures

1737年(元文2)の建立で、中央に釈迦如来像、両脇に毘沙門天像と韋駄天像を安置している。また多数の経典の版木を所蔵している。



方丈
Hojo(Guest room)

1687年(貞亨4)に、もと伏見にあった後西天皇の皇女の御殿[1595年(文禄4)建築]を移建したものである。狩野光信筆の襖絵(重文・桃山時代)と堂本印象筆の襖絵(1971年作)が納められている[夏期は収蔵庫に保管]。



方丈庭園
Hojo garden

中央に阿弥陀三尊を象徴する三尊石が配置された浄土庭園である。中興以来、清泉「善気水」(写真左)が絶えることなく湧き出ている。



地蔵菩薩像
Image of Ksitigarbha (Jizo Bodhisattva)

本堂正面の石段上にある。この尊像は、1690年(元禄3)、忍澂和尚46歳の時、自身と等身大の地蔵菩薩像を鋳造させ、安置されたものである。



椿の庭
Camellia garden

当山には椿が多く、特に本堂北側の中庭には、三銘椿(五色散り椿・貴椿・花笠椿)が整然と植えられている。花期は3月下旬から4月中旬である。


法然上人の教え


法然上人

われらが往生[極楽に生まれること]は、ゆめゆめ、わが身のよしあしきにはより候まじ[自身の善悪には関係がない]。ひとえに佛の御ちからばかりにて候べきなり。

罪の軽重をいわず[自身の罪の軽重に関係なく]、ただ念佛だにも[念佛さえ]申せば往生するなり、別の様なし。 往生は一定と思えば一定なり、不定と思えば不定なり。[極楽往生は、可能であると思えば可能であり、不可能であると思えば不可能である。]

問:酒飲むは、罪にて候か。
法然上人の答:まことには飲むべくもなけれども、この世の習い。

法然院のパンフレットより (写真撮影:水野克比古氏)


貫主 梶田真章


梶田真章住職

1956(S31)年 9月  浄土宗大本山 黒谷金戒光明寺(くろだにこんかいこうみょうじ)の
               塔頭(たっちゅう)、常光院に生まれる。
1980(S55)年 3月  大阪外国語大学ドイツ語科卒業。
1984(S59)年 7月  法然院第31代貫主(かんす)に就任、現在に至る。
1985(S60)年11月  境内の環境を生かして「法然院森の教室」を始める。
1993(H 5)年 6月  境内に「共生き堂(ともいきどう)=法然院森のセンター」を新築、
               この建物を拠点に自然環境と親しむ活動を行う
               市民グループ「フィールドソサイエティー」の顧問に就任。


現在             NPO法人和の学校 理事
               きょうとNPOセンター 副理事長

 アーティストの発表の場やシンポジウムの会場として寺を開放するなど、現代における寺の可能性を追求しつつ、環境問題に強い関心を持ち、多くの市民団体に参加。寺を預かる僧侶として、そして一市民として、個性を発揮できる活動を通じて社会的役割を果たそうと努めている。


著書             『京都法然院歳時記』京都書院刊(共著)
               『法然院』淡交社刊(共著)
               「ありのまま〜ていねいに暮らす、楽に生きる〜」(リトルモア刊)


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