法然院サンガ: 208

法然院サンガからのご案内

N-0208-J

平成22年 5月 2日更新
(平成22年 5月 7日追加)

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 境内の緑を藤の花が彩る季節となりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。出口の無い戦い、痛ましい事件が続きますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛さまと向き合い、楽になっていただく処かと存じます。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章


ラジオ番組のご案内


 ラジオ番組「京都三条・ボンズカフェ」(周波数 FM 79.7 MHz、毎週火曜日午後10時〜11時生放送)(毎週水曜日午後11時〜12時再放送)(進行:杉若恵亮(亀岡市 法華寺住職)、助手:岡 舞、永峯 翠子、松村紗和子、レポーター:愛名、田村 咲、横槍:梶田真章)を放送中です。インターネット(http://www.radiocafe.jp/bonzecafe/index.html)では土曜日以降にその週の放送内容をお聞きいただけます。番組へのご投稿(佛教、寺院に関するご質問、リクエスト曲など)〔宛先 Fax.075-213-6433 E-mail:bonze@radiocafe.jp 〒604-8071 中京区寺町三条下ル永楽町224 とーべぇビル3F 303 京都三条ラジオ・カフェ「ボンズカフェ」係〕を心よりお待ちいたしております。合掌

                                    梶田真章

 郵便振替口座番号:01050−4−60318  加入者名:本山獅子谷法然院


「ありのまま」
〜ていねいに暮らす、楽に生きる。〜


 「ありのまま〜ていねいに暮らす、楽に生きる。〜」(梶田真章著、構成・文:村松美賀子、(株)リトルモア刊)頒価:1500円。郵送ご希望の方は電話・ファクシミリ・E-mailでお申し越し下さい。郵便振替用紙を同封し、お送りいたします。(送料共で1800円)

                                    梶田真章


御寄付のお願い


 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては広く御寄付を募っております。御寄付いただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。合掌

 郵便振替口座番号:01050−4−60318  加入者名:本山獅子谷法然院


「第2回 桂 雀松(じゃくまつ)独演会」

5月5日(水・祝)

午後3時(午後2時半開場)

於 本坊

出演


桂 雀松   「寝床」「星野屋」  

桂 歌之助  「つぼ算」      

桂 吉の丞  「開口一番」     

桂 雀松


1956年、神戸市生まれ。1975年3月、桂枝雀に入門。1988年、NHK落語新人コンクール優秀賞受賞。1989年、NHK演芸コンクール新人演芸大賞受賞。1994年、国立演芸場花形演芸会銀賞受賞。1996年、大阪舞台芸術奨励賞受賞。2006年、文化庁芸術祭賞優秀賞受賞。気象予報士としても活躍中。

桂 雀松師は、故 枝雀師匠の四番弟子で現代上方落語界屈指の味わい深い噺家です。第1回は「百年目」を聴か せていただきました。今回は枝雀師匠譲りの「寝床」と十八番の「星野屋」です。是非ご賞味下さい。合掌                        梶田真章

参加料  ご予約 2500円  当日 3000円

ご予約は法然院サンガまで

定員 80名

ご予約で満席の場合、当日券はございません。


「北インド古典音楽コンサート」

 5月 7日(金)

午後7時(午後6時半)

於 本堂

出演

シタール:井上 憲司

タブラ:クル・ブシャン・バルガヴァ

参加料:前売券 3000円、当日券 3500円

ご予約は民族楽器コイズミ(Tel.075-231-3052)まで

お問い合わせは井上憲司さん(Tel.090-1134-1845)まで

http://www.kenjiinoue.com/


森岡正博著
『33個めの石〜傷ついた現代のための哲学〜』を読む
第11回

5月13日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章  参加料 志納(初めての方は、テキスト代として1500円が必要です)

自殺、死刑制度、脳科学、環境問題、宗教の功罪などについて書かれた森岡正博先生(大阪府立大学教授)の エッセイ、『33個めの石』をご一緒に読み、語り合います。難しい課題ばかりですが、ご参加下さい。合掌 真章


「第2回 ちおん舎・新・染屋町寄席」

5月14日(金)

午後7時(午後6時半開場)

染屋町寄席が復活いたしました。

於 ちおん舎<京都市中京区衣棚通(烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側>

Tel.075-221-7510]

出演


桂三四郎    「開口一番」 

桂 吉坊    「稲荷俥」  

笑福亭由瓶   「がまの油」 

桂ちょうば   「片棒」   

参加料  ご予約 1300円  当日 1500円

お問い合わせ・ご予約は法然院サンガまで


「二胡アンサンブル楽☆楽(La☆La)五周年記念演奏会」

 5月15日(土)

午後6時(午後5時半開場)

於 方丈

総勢30名による二胡の音色が東山三十六峰に響きわたる。

参加料 500円

ご予約は木田眞知子さん(Tel.090-9614-1129)まで


「NHKラジオ第2放送 宗教の時間『ありのままに生きる』」

5月16日(日)

午前8時半〜9時

出演 法然院 貫主 梶田真章

〔5月23日(日) 午後6時半〜7時 再放送〕

NHKラジオに出演いたします。

お時間がございましたらお聞き下さい。


「阿満利麿著『四十八願論』を読む」第1回

  5月20日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納
(テキスト代として別に800円が必要です。)

同人誌『連続無窮』第8号の別冊『四十八願論〜悲願の佛教 法蔵菩薩〔阿弥陀佛〕の四十八願〜』をご一緒に読ん でまいります。法蔵菩薩の四十八願すべてを阿満先生が解説された力作です。どうぞご参加下さい。                       梶田真章


「朝日カルチャーセンター大阪公開講座」
法然上人の佛教〜『選択本願念佛集』を読む〜

5月25日(火)、6月22日(火)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

於 朝日カルチャーセンター大阪
(大阪市北区中之島 朝日新聞ビル5階)

(6月22日は法然院にて)

受受講料 有料

お申し込みは朝日カルチャーセンター大阪(Tel.06-6222-5222)へ

インターネット予約  HYPERLINK "http://www.asahi-culture.co.jp" http://www.asahi-culture.co.jp


「第158回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

5月26日(月)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部  午後3時〜3時半        おつとめ

                     本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部  午後3時半〜4時半       おはなし

                     「大乗佛教の修行に生きる」梶田真章

第3部  午後4時45分〜5時45分   おんがく「薫風にリュートを楽しむ」

                     出演 佐野健二さん


「NPO法人 潤Jun文学講座『源氏物語(谷崎潤一郎訳)』を読む」
〜3日で分かる光源氏の物語〜

         第2回  5月27日(木)   午後1時半〜3時

         第3回  6月24日(木)   午後1時半〜3時

於 本坊

講師:武庫川女子大学教授 たつみ都志〔専門は谷崎潤一郎〕

テキストは不要です。

受講料 2000円(資料代を含みます)

お申し込みは、NPO法人 潤Jun

Fax:072-741-2931 まで


「第32回 法然院 夜の森の教室」
『アユム10歳:チンパンジーの心と人間の心』

5月30日(日)

午後7時〜9時

於 本坊

お話:京都大学霊長類研究所所長 松沢哲郎先生

参加料 1000円

お申し込み:お電話(Tel. 075-771-2420)下さるか、
ファックスあるいはメールにてご予約下さい。

松沢哲郎(まつざわてつろう)


1950年、愛媛県松山市に生まれる。京都大学文学部哲学科を卒業後、同大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程中退、理学博士。同大学霊長類研究所助教授を経て、93年より教授、2006年より所長。専門は比較認知科学、霊長類学。91年に秩父宮記念学術賞、2001年にはジェーン・グドール賞などを受賞。著書に『チンパンジーはちんぱんじん』(、『チンパンジーの心』、『おかあさんになったアイ』、『アイとアユム 母と子の700日』、[『アイとアユム チンパンジーの子育てと母子関係』、『進化の隣人 ヒトとチンパンジー』、翻訳に『野生チンパンジーの世界』(ジェーン・グドール著、杉山幸丸と共に監訳)など。 


「朝日カルチャーセンター京都公開講座」
『法然上人の佛教〜『選択本願念佛集』を読む〜』

6月2日(水)、6月30日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

於 朝日カルチャーセンター京都
(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 有料

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「第20回 善気山 専修(せんじゅ)念佛塾」
源信『横川法語』、法然『一紙小消息』のこころ

6月6日(日) 午後3時〜6時 

    午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)

                本堂にて念佛を唱えます。

    午後3時半 〜 6時  講話会

                書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
                後半は対話によって深めます。


      有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌  梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


「『死刑を止めよう』宗教者ネットワーク」
第15回セミナー
『日本人の宗教心から考える死刑廃止』

6月15日(火)

午後7時〜9時

お話 梶田真章

参加費 500円

於 本坊

主催「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク

お問い合わせ:Tel.03-3359-7655(担当/柴田さん)

hikigaerulove@yahoo.co.jp


「えん 第22回 沙羅の宴」
〜はらい シリーズ〜
No.4 <とわ>

6月20日(日)

午後5時

於 本坊

演奏  筑前琵琶:片山旭星

曲目『壇ノ浦悲曲』『船弁慶』『大原御幸』

参加料 3000円(お茶菓子付 80人まで) 大学生以下 1500円

お申し込み・お問い合わせ・主催 えん 伊藤和子

Tel.&Fax.072-683-6733 E-mail:en-itou@mue.biglobe.ne.jp


花を憂い、椿を拝む


 浄土宗大本山黒谷金戒光明寺の境内が少年の頃の私の野球場だった。山門の板壁にボールをぶつけ、近くの寺のガラス を割ったり、文化財を傷つける慚愧に堪えない日常で、恥ずかしくも懐かしい思い出である。 山門の直ぐ傍にある私が生まれ育った寺の前には今はもう枯れてしまったヤマザクラがあったが、山門から法然上人像を祀る御影堂へと続く大石段の左側には石段に枝を張り出すソメイヨシノがあり、山門前から大石段を目がけてボールを打っていた私にとって、印象に残る樹は、ヤマザクラよりも、このソメイヨシノである。若い頃は桜というとソメイヨシノだったが、近年はヤマザクラの方が奥ゆかしくて心魅かれ、拝みたいのは法然院の西側にある疏水べりのソメイヨシノより吉野の桜である。近所に住む私どもが親しみを込めて「疏水べり」と呼ぶ道は全国的にはすっかり「哲学の道」になってしまったが、この道を歩くなら冬枯れの時季が好ましく、様々な店が開かれてすっかり「金銭哲学の道」になってしまう花の季節は、各人の思いが重なってそのようになっているとはいえ、人生を哲学する雰囲気でなくなってしまうのは淋しいことである。疏水べりのソメイヨシノは、日本画家橋本関雪夫妻ゆかりの「関雪桜」と呼ばれ、大正末期から昭和初期にかけて植えられたものが中心であるため老齢化が進み、近年は接ぎ木でクローン苗木を殖やす取り組みが行われていると聞く。思えば江戸時代末期に染井村(現、東京都豊島区)の植木屋からエドヒガンとオオシマザクラの雑種として売り出されたソメイヨシノのクローンが、この150年余りの間にまたたく間に全国に広がっているのは驚異というしかなく、人工植物の不思議な繁栄と言えるかもしれない。花見は、初詣や彼岸会などと同様に、ご先祖さまや氏神さまを崇敬することによって村や家を守っていただく先祖教の伝統に生きる日本人にとって欠かせない年中行事の一つである。近年は地元の名所ではなく、観光的に有名な桜の巨樹に詣でる機会も増えているが、添え木などをされて生き続けている桜を拝ませていただくと、桜のいのちを大切にすると言いながら、自己中心的な人間の都合で延命治療を施しているようで痛々しく、保存活動をされている方には申し訳ないとは思いつつ早く成佛させてあげてほしいと願うこともある。法然院の境内には桜は少なく、春は取り取りの椿の花が参拝者を迎える。法然院には本尊阿弥陀如来像前の須弥壇上に季節に応じて毎早朝に二十五輪の生花を並べる作務があり、「二十五菩薩の散華」と称しているが、3月下旬から4月上旬には中庭の八重の椿(花笠椿・貴椿・五色散椿)[一般公開は4月1日〜7日のみ]の花が並ぶ。インド佛教では生き物のことを衆生・有情と呼び、木石などを非情(心の無いもの)として植物を衆生に入れなかったが、日本では植物も衆生の一つとして遇してきた。桜や椿は見るのではなく、共に生きてきた同朋として拝んでゆきたいと願っている。合掌  梶田真章


「SKY 2010年春号」に掲載されました。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
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E-mail: Byakurenja@aol.com