法然院サンガ: 231

法然院サンガからのご案内

N-0231-J

平成24年 1月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 新年明けましておめでとうございます。東北地方太平洋沖地震から10ケ月近く経ちましたが、まだ地震前の日常を取り戻された方は少なく、震災真只中の日本です。地震、火山の噴火、台風、豪雨、旱魃(かんばつ)など、自然災害と長く向き合ってきた日本人です。この世に絶対の安全は無いことを学んできた筈でした。この世に起こる全てのことを想定することはできません。大地が大きく動いて現在の日本列島の地形ができました。これから大地がどのように動くのか分からないのに、今、経済成長に必要だからといって原子力発電を続けることに私は賛成できません。私は本年以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 私の敬愛する詩人、ななおさかきさん(1923.1.1〜2008.12.23)が、1999年11月に作られた詩を以下にご紹介いたします。

 おかしいね おかしいね
 女は みんな 美人
 だったら ミスユニバースなんて おかしいね
 人間は みんな 地球のたから
 だったら 人間国宝なんて おかしいね
 山は みんな すばらしい
 だったら 日本百名山なんて おかしいね
 地球まるごと 太陽の遺産
 だったら 世界遺産なんて おかしいね
 母なる太陽 その耐用年数 百億年はもつだろう
 祖国日本の耐用年数 君も知らない 誰か知ってる?
 公共土木事業 地球こわして もうけるあいつ
 だったら 公共なんて おかしいね
 2300年前
 縄文日本は 原子力発電 かかわらず
 明日 原発からの放射能に
 ゆっくり しっかり 殺される 平成日本
 だったら ヘイセイ なんて おかしいね

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。被災地では、御遺体が発見されない、御遺体の身元が確認できない、死後被曝で永久に御遺体を収容できない、墓が建てられないなどの非常事態が続いておりますが、正にこのような時こそ、阿弥陀佛は震災で他界された方々や犬・猫・牛・水族館の魚たちなど、生きとし生けるものを極楽にお迎え下さり、成佛へとお導き下さっていることを『南無阿弥陀佛』を唱えつつ信心していただきたく存じております。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして27年余り、この間の想いを、同人誌『連続無窮』の第10号(1200円)に、また3月11日の大地震以降半年間の想いを、同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。
                          合掌 梶田真章


「新春法話『佛教で生きる〜大震災の真只中で〜』」

 1月 1日(日)

午後2時〜3時半

講師:梶田真章

参加志納

於 南書院


「法話『法然・親鸞の佛教と現代〜善人・悪人〜』」

 1月 2日(月)

午後2時〜3時半

講師:梶田真章

参加志納

於 南書院


「2011年 法然院サンガ 新年会」

 1月 8日(日)

参加料 2000円

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

準備の都合上、第4部の「新年宴会」にご参加いただける方は1月5日までに必ずご予約下さい。

第1部 午後3時 〜 3時半

    「新春のお念佛」
     本堂でご一緒に南無阿弥陀佛を唱えます。

第2部 午後3時半 〜 4時

    法話「今年も専修(せんじゅ)念佛に生きる」  梶田 真章

第3部 午後4時15分〜5時45分

    「遊びの玉手箱」  大道芸で新春を寿ぐ  出演 大塚珠代さん 他 

第4部 午後6時〜

    「新年宴会」 各自、交換用のプレゼントを一品(予算ご自由)ご用意下さい。
     差し入れ歓迎いたします。


「東北関東大震災 物故衆生 月忌(がっき)追悼法要」

 1月11日(水)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から10カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は被災者支援のため、「遠野まごころネット」へ寄付させていただきます。
                                        合掌


「阿満利麿著『行動する仏教〜法然・親鸞の教えを受けつぐ〜』を読む」第4回

 1月12日(木)

午後1時半〜3時45分

第4章 「時代と向き合う」を題材に語り合います。

於 本坊

参加料 志納

ご参加いただける方はテキスト(1000円)をご購入の上、事前に第4章をお読み下さい。


「兵庫県南部地震物故衆生追悼の集い」

 1月17日(火)

午後2時

当院では震災後、1ヶ月、3ヶ月、初盆、一周忌、一周忌以降は毎年1月16日か17日に追悼の集いを開いてまいりました。ご参詣をお待ち申し上げます。ご都合の良い時刻からご参加下さい。

第1部 午後2時

    「兵庫県南部地震18回忌 物故衆生追悼法要」 於 本堂
     もう17年、まだ17年。心から追悼の気持ちを表したく存じます。

第2部 午後3時

    「兵庫県南部地震の被災地に向けて追悼と希望の鐘を鳴らす」 於 鐘楼
     ご参詣の皆様方に、被災地に向けて一打ずつ鐘を撞いて頂きます。

第3部 午後3時20分〜4時 於 本坊

    「追悼演奏」
     揚琴(ようきん・ヤンチン)・オカリナ:友枝良平

友枝さんには震災後、毎年、追悼演奏をお願いしてきました。友枝さんが奏でる揚琴の響きに、震災でこの世から失われたいのちとご自身のいのちとの共鳴・重なり合いを感じていただければと存じます。


「『阿頼耶識(あらやしき)の発見〜よくわかる唯識(ゆいしき)入門〜』
(横山紘一 著 幻冬舎新書)を読む」 第1回

 1月19日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に750円が必要です。)

唯識とは、『西遊記』で知られる玄奘三蔵がインドから中国に伝えた佛教思想の根本。それは「人生で起こるどんなことも、心の中の出来事にすぎない」という教えであり、執着や嫉妬、怒り、絶望、失敗はすべて心の深層部の仕業だと説く。難解な唯識思想について数多くの入門書を著されている横山先生の本を題材にご一緒に学びましょう。


「朝日カルチャーセンター大阪 公開講座 佛教に親しむ『佛教の歴史』」

1月24日(火)、2月28日(火)、3月27日(火) 午前10時半〜正午

講師:梶田真章

           1月24日(火)「お釈迦さまの佛教」

           2月28日(火)「根本佛教と大乗佛教」

           3月27日(火)「中国佛教〜宗派の成立〜」

於 朝日カルチャーセンター大阪(大阪市北区中之島 朝日新聞ビル5階)〔3月27日は法然院にて〕

受講料 8,190円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター大阪(Tel.06-6222-5222)へ

インターネット予約  HYPERLINK "http://www.asahi-culture.co.jp" http://www.asahi-culture.co.jp


「第178回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

1月26日(木)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。ご都合のよい時刻からご参加下さい。

午後3時〜3時半      おつとめ
              本堂でご一緒にお経を唱えます。

午後3時半〜4時15分
              おはなし「法然上人の佛教」    梶田真章

午後4時半〜5時半     新春シャンソンショー 音曲漫才と歌の会
              出演 れ・みぜらぶるず
              リピート山中(ギター)、フランシー堺(アコーディオン)


「風の集い」SOHO禅(観音禅・感謝念佛)

 1月29日(日)

午後2時〜5時頃(午後1時半開場)

於 大書院

主宰:町田宗鳳(そうほう)先生(広島大学大学院総合科学研究科教授)

参加料:一般 1500円  学生 1000円

法然院サンガまでご予約下さい。


「朝日カルチャーセンター京都公開講座 佛教に親しむ『佛教の歴史』」

2月1日(水)、2月29日(水)、3月7日(水)

午前10時半〜正午講師:梶田真章

           2月 1日「お釈迦さまの佛教」

           2月29日「根本佛教と大乗佛教」

           3月 7日「中国佛教〜宗派の成立〜」

於 朝日カルチャーセンター京都(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 8,190円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「第30回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾『正信偈』(親鸞聖人作)を読む その5」

 2月 5日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)
            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半 〜 6時  講話会
            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌  梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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