法然院サンガ: 240

法然院サンガからのご案内

N-0240-J

平成24年10月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 中秋の名月の日(9月30日、旧暦8月15日)の京都は台風17号の影響で月は望めないと諦めておりましたが、午後8時過ぎには雲間の名月を愛でることができました。法然院の中庭では秋海棠(しゅうかいどう)や、秋明菊(しゅうめいぎく・貴船菊)、酔芙蓉(すいふよう)が盛りを迎え、すっかり秋になりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から1年6か月が経ちましたが、私は、決して大震災後ではなく、大震災真只中の日本だと感じ続けています。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして28年余り、この間の想いを、同人誌『連続無窮』の第10号(1200円)に、また3月11日の大地震以降半年間の想いを、同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、本年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。
                          合掌 梶田真章


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座 佛教で生きる」

10月 3日(水)、11月 7日(水)、12月 5日(水)

午前10時半〜正午

10月 3日  「生かされて生きる〜縁起・空〜」  

11月 7日  「専修念佛に生きる〜善人・悪人〜」 

12月 5日  「サンガに生きる〜寺院佛教の未来〜」

講師:梶田真章

於 朝日カルチャーセンター京都

(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 8,190円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「福岡伸一著『生命と食』(岩波ブックレット No.736)を読む」
第2回

10月 4日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

第2章「狂牛病が私たちに問いかけたこと」を題材に語り合います。

参加料 志納

ご参加いただける方はテキスト(500円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「志摩欽哉 朗読20周年記念リサイタル」
朗読プロジェクト第4弾
宮澤賢治没後80周年にむけて
『風のいたみ〜宮澤賢治へのオマージュ』

10月 6日(土)

午後6時(午後5時半開場)

於 方丈

演目


  「青森挽歌(抄)」     

  「セロ弾きのゴーシュ」   

  「ざしき童子のはなし」   

  「よだかの星」       

  「賢治への旅立ち〜永訣の朝」

客演


武 順子「なめとこ山の熊」

音楽


チェロ:片田尚考

津軽三味線:徳田恵美

参加料 前売:2500円、当日:3000円

予約お申し込み先:朗読企画「でくの工房」・志摩欽哉

E-mail:koubo-dekul82@ezweb.ne.jp Tel.090-1248-4679


「東北関東大震災物故衆生 月忌(がっき)追悼法要」

10月11日(木)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から1年7カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は被災者支援のため、「サンガ岩手」へ寄付させていただきます。 合掌


「2012年度 緑と水の森林ファンド助成事業『森づくり研究会』」
「千年の森づくり〜列島の森に刻まれた知恵〜」

10月14日(日)

午後1時〜4時半

於 法然院森のセンター

午後1時

「日本の焼畑に学ぶ」

講師:椎葉 勝さん

焼畑農家、粒々飯々(つぶつぶまんま)共同作業体験場主宰


午後2時

「森林の再生を学ぶ」

講師:高田研一さん

NPO法人森林再生支援センター常務理事、高田森林緑地研究所所長

定員 30名(前日までに森のセンターへお申し込み下さい)

参加費 500円(資料代を含む)

午後3時半〜4時半 「お話を踏まえて」

講師と共に語り合います。

主催・お問い合わせ:フィールドソサイエティー

Tel.075-752-4582 E-mail:moricent@deluxe.ocn.ne.jp


「『仏教入門』(三枝充悳・さいぐさみつよし)著・岩波新書)を読む」
第2回

10月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に850円が必要です。)

平川 彰 先生の「仏教入門」を読ませていただいてから時が流れましたので、此度は三枝先生の「仏教入門」を 取り上げております。入門とはいえ、難しい内容を含んでおりますが、ご一緒に読んでまいりましょう。 梶田真章


「生きにくさの理由〜哲学者と宗教者の役割〜」
鷲田清一(臨床哲学者、前大阪大学総長、大谷大学教授)×梶田真章(専修念佛者)

10月19日(金)

午後6時半〜8時

於 朝日カルチャーセンター京都(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 3,465円

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp

閉塞感が漂う時代と言われます。生きにくさを感じておられる方も多いようです。現代における哲学と宗教の役割とは? 臨床哲学者と専修念佛者の対話から哲学と宗教の存在理由の重なるところ異なるところが浮かび上がってくれば面白い と思います。ご参加いただく皆様方が御自身の生きにくさの理由を問い直していただく機会にもなれば幸いです。真章


「朝日カルチャーセンター大阪公開講座『佛教で生きる』」

10月23日(火)、11月27日(火)、12月18日(火)

午前10時半〜正午

10月23日  「生かされて生きる〜縁起・空〜」  

11月27日  「専修念佛に生きる〜善人・悪人〜」 

12月18日  「サンガに生きる〜寺院佛教の未来〜」

講師:梶田真章

於 朝日カルチャーセンター大阪

大阪市北区中之島 朝日新聞ビル5階

*11月27日は法然院にて

受講料 8,190円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター大阪(Tel.06-6222-5222)へ


「第187回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

10月26日(金)

午後3時〜5時45分

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部  午後1時半〜2時45分    呈茶

                    先着30名様に抹茶を呈上いたします。

第2部  午後3時 〜 3時半     おつとめ

                    本堂でご一緒にお経を唱えます。

第3部  午後3時半 〜 4時半    おはなし

                    「ご質問に答えて」梶田真章

第4部  午後4時45分〜5時45分  おんがく

                    出演:“那々”

                    藤井真美(筑前琵琶)
                    林比路子(筝)
                    岩本みち子(尺八)


「茶爐夢(さろむ)・いちごいちえの会」
第16回
「『ありのまま』〜豊かな一日のために〜」

10月27日(土)

午後2時(午後1時半開場)

講師:梶田真章

参加料 1500円(お土産付)

於 ちおん舎(京都市中京区衣棚通・烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側

Tel.075-221-7510]

主催・お問い合わせ・お申し込みは茶匠井六園 担当:「一期一会」推進本部

Tel.075-661-1691 Fax.075-681-3288

E-mail:info@irokuen-tea.co.jp (rokuhei-i@irokuen-tea.co.jp)


「第41回 法然院 夜の森の教室」
『人間とは何か〜第2回 チンパンジーとゴリラの対話〜』
対談
松沢哲郎〔国際霊長類学会会長〕×山極壽一〔国際霊長類学会前会長〕
司会:梶田真章

10月30日(火)

午後7時〜9時(午後6時半開場)

参加料 一般・大学生 1000円  高校生以下 無料

定員 80名

ご予約は法然院サンガまで

夜の法然院はフクロウやムササビの鳴き声が聞こえ、昼間とはまた違った雰囲気を醸し出しており、その風土に浸るだけで「人間も生物の一つの種にすぎない」という科学的真理を謙虚に承認できる場です。日本発の学問と言うべき霊長類学〔人間の本性の霊長類的起源を探る研究〕の現代における中心的存在であるお二人による当院では2度目の対談です。皆様方のご参加をお待ち申し上げております。合掌 梶田真章


「秋季 伽藍内特別公開」

11月 1日(木)〜 7日(水)

午前9時〜午後4時

文化財保存協力料 800円

方丈の重要文化財の襖絵、堂本印象の襖絵、大書院の龍の襖絵などをご鑑賞下さい。随時、法話もいたして おります。法話の時刻は毎日変わります。ご聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。合掌


「福岡伸一著『生命と食』(岩波ブックレット No.736)を読む」
第3回

11月 8日(木)

午後1時半〜3時45分 

於 本坊

第3章「食の安全をどう考えるか」を題材に語り合います。

参加料 志納

ご参加いただける方はテキスト(500円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420 FAX: 075-752-1083
E-mail: Byakurenja@aol.com