法然院サンガ: 241
法然院サンガからのご案内
N-0241-J
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法然院サンガ
南無阿弥陀佛。
境内では楓が少し色づいてきました。今年も紅葉の盛りは11月25日〜30日頃でしょうか。昨夜は旧暦9月15日の月が輝いておりました。皆様方には、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。昨年5月18日に法然院で大震災の様子を語っていただいた岩手県盛岡市の如法寺の御住職、近藤光徳和尚の御案内で岩手県沿岸部の陸前高田市、大船渡市、釜石市、大槌町、山田町、宮古市を巡りました。大地震、大津波と大火災で全ての伽藍を失った大槌町の江岸寺では墓石は散在したまま、プレハブの本堂でお勤めが行なわれ、御住職は仮設住宅から寺に通っておられるとのことでした。東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から1年7か月が経ちましたが、福島県だけではなく岩手県沿岸部も決して大震災後ではなく大震災真只中でした。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。 法然院 梶田真章 |
当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。
郵便振替口座番号:01050−4−60318
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法然院をお預かりして28年余り、この間の想いを、同人誌『連続無窮』の第10号(1200円)に、また3月11日の大地震以降半年間の想いを、同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、本年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に、「黙祷」という習わしが広まっていることについての念佛者としての想いを同人誌『連続無窮』第13号に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。
合掌 梶田真章 |
前回の葺き替えから25年以上が経ち、傷みの激しい山門の茅葺き屋根を来年2月から3月にかけて葺き替えることにいたしました。費用は390万円です。この事業につきまして有志の方々に浄財をお寄せ賜わりたく存じます。ご協力賜われます方は郵便振替用紙の通信欄に「山門修理寄付」とご記入の上、「郵便振替口座番号:01050−4−60318 加入者名:本山獅子谷法然院」までお振込み下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
11月26日(月)〜12月2日(日)に東日本大震災の被災者に想いを寄り添わせる「第4回 悲願会(ひがんえ)」を執り行い、12月1日(土)、2日(日)には大震災の被災者支援のための慈悲市(バザー)を開きます。 ご提供いただける品物がございましたら11月24日(土)までにお届け下さい。また11月25日(日)に行う品物の仕分け作業、12月1日(土)、2日(日)のバザーのお手伝いをして下さる方を募集いたしております。ご協力いただけます方は、法然院サンガまで御一報下さい。
合掌 梶田真章 |
「秋季 伽藍内特別公開」
11月 1日(木)〜 7日(水)
午前9時〜午後4時
文化財保存協力料 800円
方丈の重要文化財の襖絵、堂本印象の襖絵、大書院の龍の襖絵などをご鑑賞下さい。随時、法話もいたして おります。法話の時刻は毎日変わります。ご聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。合掌 |
「希望の光 富永成風 展」
11月 1日(木)〜 7日(水)
午前9時〜午後4時
鑑賞 無料
於 本坊
「福岡伸一著『生命と食』(岩波ブックレット No.736)を読む」
第3回
11月 8日(木)
午後1時半〜3時45分
於 本坊
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参加料 志納
ご参加いただける方はテキスト(500円)をご購入の上、事前にお読み下さい。
「東北関東大震災 物故衆生月忌(がっき)追悼法要」
11月11日(日)
午前11時
参加 志納
於 本堂
地震発生から1年8カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は被災者支援のため、「サンガ岩手」へ寄付させていただきます。 合掌 |
「第1回 上森祥平(うわもりしょうへい)無伴奏チェロの夕べ」
11月12日(月)
午後7時(午後6時半開場)
於 本坊
T・ヒューム(イギリス?、1569?〜1645):
J・S・バッハ(ドイツ、1685〜1750):
D・ガブリエッリ(イタリア、1651?〜1690):
J・S・バッハ:
J・コリリアーノ(アメリカ合衆国、1938〜 ):
J・S・バッハ:
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参加料:ご予約 2000円、当日 2500円
定員 50名
満席になり次第、締切ります。
ご予約は法然院サンガまで。
「『仏教入門』(三枝充悳・さいぐさみつよし)著、岩波新書)を読む」
第3回
11月15日(木)
午後1時半〜3時45分
於 本坊
講師:梶田真章
参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に850円が必要です。)
平川 彰先生の「仏教入門」を読ませていただいてから時が流れましたので、此度は三枝先生の「仏教入門」を 取り上げております。入門とはいえ、難しい内容を含んでおりますが、ご一緒に読んでまいりましょう。 梶田真章 |
「グループいぶき 第8回邦楽コンサートの夕べ」
11月17日(土)
午後5時(午後4時半開場)
参加無料
於 本坊
「千鳥の曲」「壱越」「リープ」「春の雪」「涼流」「明鏡」「五月のうた」 |
箏・三絃:飯田理恵、近藤節子、田中美津子、友森明子、松末為久子
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参加無料
お問い合わせ:Tel.075-703-4196(野口さん)
または Tel.072-774-0510(佐々木さん)まで
「アジ群耕雲(あじむらこううん)森のやきもの展」
11月19日(月)〜25日(日)
午前10時〜午後4時半
無料
於 南書院
「第4回 善気山 室内楽の夕べ」
〜秋の夜長にフルート、ギター、打楽器による異空間への誘い〜
11月20日(火)
午後7時(午後6時半開場)
於 本坊
フルート: 中川佳子 ギター: 岩崎慎一 パーカッション:中山航介 |
A.ピアソラ(1921〜1992):
武満 徹(1930〜1996):
他 |
参加料 ご予約 2000円 当日 2500円
ご予約は法然院サンガまで。
「朝日カルチャーセンター京都・公開講座」
『こころ豊かに生きる〜戒名をお持ちですか?〜』
11月21日(水)
午前10時半〜午後1時
講師:梶田真章
於 法然院
参加料 5040円(昼食の精進弁当代を含みます)
お問い合わせ・お申し込みは朝日カルチャーセンター京都[Tel.075-231-9693]まで
「法然上人の佛教と源平の時代」
11月23日(金・祝)
午後4時(午後3時半開場)
於 本坊
第1部 お話
「法然上人の佛教と『平家物語』」 梶田 真章 第2部 琵琶演奏 「平家物語」より『粟津ヶ原』(源義仲の最期) 『壇ノ浦』(平家の時代の終焉) 出演 筑前琵琶:片山旭星(きょくせい) |
参加料
一般 ご予約:2000円、当日:2500円
中学生・高校生・大学生・22歳以下の勤労者:1000円
ご予約は法然院サンガまで
1167年、平清盛が太政大臣となり平家の絶頂期を迎えるが、18年後の1185年、平清盛の三男の宗盛は壇ノ浦の戦に敗れて処刑され、平家の時代が終わる。法然上人が比叡山を下りて専修念佛の教えを説く浄土宗を開かれたのは、まさに平家の絶頂期の1175年。『平家物語』が描く時代に他力本願念佛の教えが開かれたことの意味に想いを馳せていただく集い開きます。お誘い合わせ、ご参加下さいますよう、お待ち申し上げております。合掌 梶田真章 |
「秋空に舞う花のように」
11月24日(土)
午後6時半(午後6時開場)
於 本坊
秋人(http://akihito.main.jp/) あらい舞(http://www.maii.jp/) |
お問い合わせ・チケットご予約:Star Light Stage
メール受付 info@akihito.main.jp
「第188回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」
11月26日(月)
午後3時〜5時45分
参加志納
於 本坊
ご予約不要です。
プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。
ご都合のよい時刻からご参加下さい。
第1部 午後3時 〜 3時半
おつとめ 本堂でご一緒にお経を唱えます。 第2部 午後3時半 〜 4時半 おはなし 「悲願に生きる」:梶田真章 第3部 午後4時45分〜5時45分 語り イルフな時間 :朗読:おかもとりよ さん
知る人ぞ知る武井武雄(童画家、版画家、童話作家、造本作家)さんの
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特に記載のない限り、会場は法然院です。
ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。
〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ
Tel. 090-1899-3689 Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/
お問い合わせ
〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420 FAX: 075-752-1083
E-mail: Byakurenja@aol.com