法然院サンガ: 245

法然院サンガからのご案内

N-0245-J

平成25年 3月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 寒い日々ですが藪椿が3月中旬〜下旬の花盛りに向けて咲き出してまいりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。前回の葺き替えから25年近く経ち、傷みの激しい山門の茅葺き屋根を2月4日から3月下旬にかけて葺き替えております。東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から1年11か月以上が経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして29年近く、この間の想いを同人誌『連続無窮』第10号(1200円)に、一昨年3月11日の東北地方太平洋沖大地震、福島第1原子力発電所の事故以降半年間の想いを同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、昨年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に、「黙祷」という習わしが広まっていることについての念佛者としての想いを同人誌『連続無窮』第13号に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。合掌

 山門の茅葺き屋根の葺き替え費用は390万円です。この事業につきまして有志の方々に浄財をお寄せいただいております。ご協力賜われます方は郵便振替用紙の通信欄に「山門修理寄付」とご記入の上、「郵便振替口座番号:01050−4−60318 加入者名:本山獅子谷法然院」までお振込み下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。              合掌


「風の集い」SOHO禅〔観音禅・感謝念佛〕

 3月 3日(日)

午後2時〜5時頃(午後1時半開場)

於 大書院

主宰:町田宗鳳(そうほう)先生(広島大学大学院総合科学研究科教授)

参加料:一般 1500円、学生 1000円

法然院サンガまでご予約下さい。


平田オリザ著
「『わかりあえないことから〜コミュニケーション能力とは何か〜』を読む」
第3回

 3月 7日(木)

午後1時半〜3時45分

第5章〜第8章を題材に語り合います。

ご参加いただける方はテキスト(講談社現代新書:750円)をご購入の上、事前にお読み下さるよう宜しくお願いいたします。

参加料 志納

於 本坊


「東北関東大震災物故衆生3回忌追悼法要」

 3月11日(月)  

 午前11時

参加 志納

於 本堂

午前11時45分 「東北関東大震災の被災地に向けて追悼と希望の鐘を鳴らす」

参加 志納

於 鐘楼

ご参詣の皆様方に一打ずつ鐘を撞いていただきます。

地震発生から2年。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。志納されたお金 は「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。上記の行事にご参加の方々には粗餐を呈上いたし ますので、準備の都合上、ご参加いただける方は事前に法然院サンガまでお申し込み下さい。
                                       合掌


「第3回 お坊さんといっしょに原発の話をしよう」

 3月11日(月)

午後1時〜4時

参加 志納

於 本坊

福島第一原子力発電所の事故から2年。現在の原発への想いを語り合いましょう。


「第42回 法然院夜の森の教室『ことばの意味、ことばの感触』」

 3月11日(月)

午後7時〜9時(午後6時半開場)

於 本坊

お話:大谷大学教授、臨床哲学者 鷲田清一(わしだきよかず)先生

参加料:一般 1000円、高校生以下 無料

定員 80名

ご予約の方で満席の場合、当日はご参加を御断りすることがございます。

ご予約は法然院サンガまで


「善導大師(613〜681)1333回忌法要」

 3月14日(木)

午前11時

中国浄土教の大成者で法然上人が師と仰がれた善導大師のご命日に当たり、1333回忌の法要を厳修いたします。粗餐呈上いたします。準備の都合上、ご参詣いただける方は、3月11日までに電話、ファックス、E-mailでお申し込み下さい。


「第26回 お寺で楽しく考古学『記紀神話の構造〜出雲・日向と高天原〜』」

 3月15日(金)

午後7時〜9時

講師:佐古和枝(関西外国語大学教授)

於 本坊

『古事記』と『日本書紀』に登場する神々の関係について今回も興味深いお話が聞けそうです。 次回はアマテラスについてお話をいただく予定ですが、今回はその序章となります。

参加料:1000円(事前のお申し込みは不要です。当日受付にてお納め下さい)


「お墓・佛檀・戒名について御質問に答える」

 3月17日(日)

午後1時半〜3時

講師:梶田真章

参加 志納

於 本坊


さいぐさみつよし          
「『仏教入門』(三枝充悳著・岩波新書)を読む」第7回

 3月21日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納
(テキストをお持ちでない方は、別に850円が必要です。)

平川 彰 先生の「仏教入門」を読ませていただいてから時が流れましたので、此度は三枝先生の「仏教入門」を 取り上げております。入門とはいえ、難しい内容を含んでおりますが、ご一緒に読んでまいりましょう。
                                     梶田真章


「無料 お箏体験」

 3月23日(土)

午後4時〜5時

楽しく『さくらさくら』を弾きましょう!
小中学生、高校生、大学生の方、大歓迎。

 3月23日(土)

午後5時半(午後5時開場)

「第13回おち椿の会『谷崎潤一郎の愛した地歌を聞く』」

於 本坊

曲目


残月、鶴の声、万歳、雪、春琴抄

出演


 箏・三絃:伊藤志野、菊央雄司、西川かをり 

柳川三味線:植梶寿子、椙村 恵、林 美音子 

   尺八:岡田道明、國見政之輔      

解説:久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)

参加料 御予約:2500円 当日:3000円 大学生:1500円 高校生以下:無料

ご予約は法然院サンガまで


「第37回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『あの世と浄土〜死後の世界はあるのか〜』

 3月24日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)

            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半 〜 6時  講話会

            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

今回は阿満先生が、「あの世と浄土の違い」「死後の世界はあるのか」について法然さん、親鸞さんのお考えを交えてお話されます。専修念佛の教えに関心を寄せておられる有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌
                                     梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院サンガまで。


「第192回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 3月26日(火)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部 午後3時〜3時半       おつとめ

                   本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部 午後3時半〜4時半      おはなし

                   「『私』の正体について」梶田真章

                   同人誌『連続無窮』第13号所収の
                   阿満利麿先生の「『私』の正体」を読み、
                   「私」について考えます。

第3部 午後4時45分〜5時45分  おんがく

                   出演  ギター:溝淵仁啓
                   ゲスト 歌:ワサブロー


「第2回 上森祥平(うわもりしょうへい)無伴奏チェロの夕べ」

 3月27日(水)

午後7時(午後6時半開場)

於 本坊

プログラム


トバイアス・ヒューム(イギリス?、1569頃〜1645):

     ガンボの魂

ブライト・シェン(中国系アメリカ人、1955〜):

     中国で聴いた七つの歌より

J.S.バッハ(ドイツ、1685〜1750):

     無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009

ジョージ・クラム [アメリカ、1929〜):

     無伴奏チェロソナタ(1955年作曲)より第2楽章

J.S.バッハ:

     無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007より
     サラバンド、メヌエット、ジーグ

ジョヴァンニ・ソッリマ(イタリア、1962〜):

     アローン

参加料:ご予約 2000円 当日 2500円

全自由席(座布団席・椅子席)

(小学生以下の方はご参加いただけません)

定員 60名

満席になり次第、締切ります。

ご予約は法然院サンガまで。


「春季 伽藍内特別公開」

 4月1日(月)〜 7日(日)

午前9時半〜午後4時

文化財保存協力料:500円

方丈の重要文化財の襖絵、大書院の龍の襖絵、見頃の中庭の三銘椿<花笠椿・貴(あて)椿・五色散椿>などをご鑑賞下さい。

随時、法話もいたしております。法話の時刻は毎日変わります。ご聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。
                                       合掌


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


法然院サンガ一覧へ!

TOPページへ!


お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420 FAX: 075-752-1083
E-mail: Byakurenja@aol.com