法然院サンガ: 276

法然院サンガからのご案内

N-0276-J

平成27年 9月30日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 境内では秋海棠(しゅうかいどう)や貴船菊(秋明菊・しゅうめいぎく)が咲き揃い、すっかり秋の風情です。本尊前の須弥壇上の二十五菩薩の散華は菊から木槿に変わりました。一昨日は中秋の名月(芋名月)をビルの間から愛で、昨夜は超満月が善気山から上るのを仰ぎ、今朝は超満月が吉田山の向こうに沈むのを拝みながら見送りました。皆様方も月を愛でられましたでしょうか。次は栗名月(豆名月。旧暦長月十三夜の月。今年は10月25日(日))を楽しみに待ちたいと思います。

 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「お寺おやつクラブ」(超宗派佛教徒によるインターネット寺院『虚空山彼岸寺』の活動の一環として始まった取り組みです)にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品(菓子・果物・海苔・醤油・油など)をお届け下されば有効に活用させていただきます。ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全には年間1000万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。雨漏りに悩まされている食堂[文殊菩薩像を安置しており、毎月の佛教書を読む集いや読書会に利用しています]の屋根の葺き替え工事を実施しています。7月17日から18日にかけての豪雨で墓地内の崖の一部が崩れたため復旧作業を余儀なくされております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。  郵便振替口座番号:01050−4−60318  加入者名:本山獅子谷法然院

 東北地方太平洋沖地震と大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年半以上経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章


「西村大樹展」
『白い雨』

 9月29日(火)〜10月4日(日)

午前11時〜午後5時(最終日は午後4時半まで)

鑑賞無料

於 講堂


「第51回 法然院 夜の森の教室」
『世界の野生動物をフィールドワークする』
〜氷河から熱帯雨林、ヒマラヤから海中まで〜

 9月30日(水)

午後7時〜9時(午後6時半開場)

お話:京都大学野生動物研究センター教授センター長 幸島司郎先生

於 本坊

参加料:一般 1000円、高校生以下 無料

定員 80名

ご予約は法然院サンガまで

幸島司郎(こうしましろう)


 1955年、名古屋市に生まれる。1974〜1985年、京都大学理学部入学と同時に山岳部に入部。 山登りに精を出し過ぎたためか、学部6年、大学院5年(動物学教室)の長い学生生活を送ることになる。1985 〜1989年、日本学術振興会奨励研究員及び特別研究員。1989〜1990年、無職時代(自称フリーサイエン ティスト)。立山やアマゾンへ出稼ぎに行って凌いだ。1990〜2008年、東京工業大学理学部助教授、後に 大学院生命理工学研究科准教授。2008年から現職。専門は動物行動学、生態学、雪氷生物学。


「上田紀行著『人間らしさ〜文明、宗教、科学から考える〜』(*)を読む」
第1回

*角川新書

10月 1日(木)

午後1時半〜3時45分

 「序章 人間をロボットのように語る人たち」、「第1章 データ化される私たち」を題材に語り合います。

参加料 御志納

ご参加いただける方はテキスト(864円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「『もり こども わたしたち』」
〜音楽と写真と言葉でつづる夕べ〜

10月 3日(土)

午後6時(午後5時半開場)

於 方丈

出演


         亀工房:前澤勝典(ギター)&前澤朱美(ハンマー・ダルシマー)

         小西貴士(写真家・森の案内人)

定員 50名

ご予約・お問い合わせはオフィス亀工房まで

(E-mail kamekobo45@gmail.com Hp.090-9668-7238)


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座 佛教で生きる」

10月 7日(水)、11月 4日(水)、12月 2日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

        10月 7日(水)   「奈良佛教の僧の言葉で学ぶ佛教」

        11月 4日(水)   「天台宗の僧の言葉で学ぶ佛教」

        12月 2日(水)   「真言宗の僧の言葉で学ぶ佛教」

於 朝日カルチャーセンター京都

(河原町通三条上ル東側、京都朝日会館8階)  

受講料 8424円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「東北関東大震災 物故衆生 月忌 追悼法要」

10月11日(日)

午前11時

於 本堂

参加 志納

 地震発生から4年7ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。

 志納されたお金は福島の子どもたちの沖縄での保養プロジェクトや放射能市民測定室での甲状腺の検診プロジェクトに取り組む「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。


「中村 元著『往生要集(源信著)を読む』(*)を読む」
第5回

*講談社学術文庫

10月15日(木)

午後1時半〜3時45分

参加 志納

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納

(テキストをお持ちでない方は別に1000円が必要です。)

中村 元先生の解説により『往生要集』をご一緒に読んでいます。ご参加をお待ち申し上げております。


「畑 ゑり子 ひとり絵展」
〜眼差しの向こう〜

10月16日(金)〜21日(水)

午前10時〜午後5時

鑑賞無料

於 南書院


「インド古典舞踊オディッシィ公演」
『花蓮夜(はなばちすよ)II 』

10月24日(土)

午後6時半(午後5時半開場)

於 本堂

ギータ・ゴーヴィンダの世界

出演


               オディッシィ:野中ミキ

                 シタール:南沢靖浩

                   朗読:広田ゆうみ

参加料:ご予約 3000円、当日 3500円

ご予約・お問い合わせは Tel.090-9624-6900
Mail:hana_bachisu@yahoo.co.jp HP http://hanabachisuyo.blogspot.jp


「第130回 法然院森の教室『神社の森、寺院の森』〜観察とお話〜」

10月25日(日)

午後1時〜5時

於 境内と本坊

  午後1時 法然院森のセンターへ集合  観察へ

                     お申し込みが必要です。定員 30名

  午後3時(午後2時40分開場)    お話 お申し込み不要

                     講師:渡辺弘之 先生
                     (京都大学名誉教授、社叢学会副理事長)

参加費:一般 1000円、フィールドソサイエティー賛助会員 500円、中学生以下 無料

お申し込み・お問い合わせは法然院森のセンター フィールドソサイエティー(Tel.075-752-4582)へ


「第223回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

10月26日(月)

午後3時〜5時45分

参加 御志納

於 本坊

ご予約不要です。ご都合のよい時刻からご参加下さい。

  第1部 午後3時 〜 3時半       おつとめ

                       本堂でご一緒にお経を唱えます。

  第2部 午後3時半 〜 4時半      おはなし

                       「佛教に宗派がある意味は?」 梶田真章

  第3部 午後4時45分〜午後5時45分  落語   

                       出演:桂 雀太
                       (桂 雀三郎師匠の3番弟子)


「秋季 伽藍内特別公開」

11月 1日(日)〜 7日(土)

午前9時〜午後4時

文化財保存協力料 800円

 方丈の重要文化財の襖絵、堂本印象の襖絵、大書院の龍の襖絵などをご鑑賞下さい。

 随時、法話もいたしております。法話の時刻は毎日変わります。  

 ご聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。合掌


「上田紀行著『人間らしさ〜文明、宗教、科学から考える〜』(*)を読む」
第2回

*角川新書

11月12日(木)

午後1時半〜3時45分

「第2章 人間らしさを問い直す」を題材に語り合います。

参加料 御志納

ご参加いただける方はテキスト(864円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「第35回 ちおん舎・新・染屋町寄席」

11月12日(木)

午後7時(午後6時半開場)

於 ちおん舎

京都市中京区衣棚通(烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側
Tel.075-221-7510

出演


            森乃石松   「お楽しみ」「高津の富」

            桂 二乗   「強情灸」「植木屋娘」

参加料:ご予約 1700円、当日 2000円

お問い合わせ・ご予約は法然院サンガまで


「中村 元著『往生要集(源信著)を読む』(*)を読む」
第6回

*講談社学術文庫

11月19日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は別に1000円が必要です。)

中村 元先生の解説により『往生要集』をご一緒に読んでいます。ご参加をお待ち申し上げております。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420 FAX: 075-752-1083
E-mail: Byakurenja@aol.com