法然院サンガ: 381

法然院サンガからのご案内

N-0381-J

2024年 7月 1日更新

法然院サンガ

法然院サンガからの御案内と御寄付のお願い

南無阿弥陀佛。

 梅雨入りし、境内の藪ではキヌガサタケを愛でる候となりました。中庭の池辺にはモリアオガエルの卵塊が見られます。方丈庭園ではハンゲショウ(半夏生)の白い葉が目立っています。新型コロナウイルスに感染していらっしゃる方には心よりお見舞いを申し上げます。ロシアのウクライナ侵攻開始から2年4ケ月余り経ちましたが戦火は収まらず、イスラエルによりパレスチナのガザ地区の市民が虐殺され続けています。お釈迦さまの教え、「愛は地球を救わない。自己愛が他者との争いの原因、国民の絆や愛国心が戦争の原因」を改めて実感する日々です。ウクライナやパレスチナに限らず、戦争・紛争により図らずも命を落とす方、食糧不足により飢餓に苦しまれる方が多く、心痛みます。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。                         

 このような状況ですが、引き続き「法然院 災害対策基金(一口1万円で目標は1億円)を積み立てております。現在まで賜わりました御寄付は約3980万円となっております。誠に有り難く存じております。受入口座は下記の通りです。引き続き宜しくお願い申し上げます。既にお納めいただいた方はどうぞご放念下さい。合掌

  京都銀行  銀閣寺支店  普通預金  口座番号:0436184 
  口座名義:宗教法人 法然院

 御本尊に供えられた菓子や果物を困窮家庭におすそ分けする「おてらおやつクラブ」にも協力しておりますので御家庭で余っている食品〔菓子・果物・米・海苔・醤油・油など〕をお届け下されば活用させていただきます。皆様がお届け下さった食品は、これまでの10年5ヶ月間で困窮家庭や困窮家庭を支援されている団体に361回、送らせていただきました。ありがとうございます。

 2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方から関東地方の太平洋沖を震源域とするマグニチュード9.0の地震と津波による東日本大震災により他界された方々、更には犬・猫・水族館の魚など、ヒト以外の動植物を含む一切衆生の成佛を信じるために地震の翌日から「東北関東大震災物故衆生之霊」の位牌を安置して念佛を唱え、毎月11日には追悼法要を厳修しております。2011年5月1日〜7日に勤めた第1回「悲願会」から、昨年11月27日〜29日に勤めた第26回「悲願会」まで被災者に心を重ね被災地の復興に関わる決意を表す「悲願会」(法要、コンサート、茶席、バザー、美術作品の展示、対話の時間等)を開きました。発災から12年を経ても被災地(特に福島県浜通り)の復興は未だ道半ばにも届かず、大震災後ではなく未だ大震災真只中の日本です。

 原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味し、漢訳では僧伽(そうぎゃ)、略が僧です。従って僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味しました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しています。

 800年前に法然上人(1133〜1212)は、「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせる阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただけるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 新型コロナウイルスの感染拡大により他の出来事についての情報に接する機会が減っておりますが、世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が継続しております。お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を重ねる同情)の精神に基づき、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、拘らず、返礼を求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。

 心の潤いと糧の補給に体調に留意されつつ、お立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                               合掌

                          法然院  梶田真章


「第79回 遊心会」
『陸中海岸 祈りの旅』

 6月17日(月)〜19日(水) 

ご報告

(参加者は10名)

***

 17日は、11時半にJR一ノ関駅に集合、蔵元レストランせきのいちで果報もち膳を賞味し、平泉町の毛越寺に参拝、浄土庭園で池の彼岸の旧金堂跡に向かって追悼のお勤めをしました。

 訪れる予定の気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館が月曜休館のため、2021年 3月11日に気仙沼湾を見下ろす丘の上に開園した、気仙沼市復興祈念公園で追悼の念佛を唱え、昨年11月にも訪ねた陸前高田市の国営高田松原津波復興祈念公園でも海に向かって追悼の念佛を唱え、市営の東日本大震災追悼施設の慰霊碑と刻銘碑の前でも追悼のお勤めをしました。

 宿泊した大船渡温泉は震災前から民宿を営んでおられた漁師さんが復興のシンボルとして2014年に開業された、大船渡湾の景色と温泉、そして何よりも新鮮な漁師めしが絶品の申し分ないお宿でした。

 18日は定員5名の碁石海岸穴通船で岩礁美と小舟で岩穴を通り抜けるスリルを味わいました。6年前は荒天のため出航できず、念願が叶いました。大船渡保育園では年長組の園児さんたちが手作りの衣装で鹿踊りを披露され、園歌「さかみちをのぼって」<作詞:覚 和歌子、作曲:千住 明>を歌って下さいました。改めて子どもたちに少しでもましな世界を残したいと思いました。園庭で追悼のお勤めをしました。銘菓「かもめの玉子」で知られる さいとう製菓総本店で昼食を取り、6名の方々には盛駅から三陸鉄道に乗車していただいて吉浜駅で合流し、大槌町の曹洞宗江岸寺に参拝しました。ご住職の大萱生(おおがゆう)良寛師が震災発災当日のご体験から本堂再建に至る経緯を90分近く語られました。大津波と大火災で伽藍の全てが壊滅、ご尊父とご長男を亡くされ、次女も自殺で亡くなられるという過酷な状況下、犠牲となられた680名の檀家さまの葬儀を連日勤められました。私が初めて訪れた時はプレハブの本堂でお話を伺い、2018年は本堂の再建工事中でした。2019年に2階建ての本堂が再建され、2020年に新たな御本尊が安置されましたが、コロナ禍で、昨年ようやく落慶法要を厳修されました。「当初は『生き残されてしまった』というのが正直な思いだったが、今は『生き残った』という気持ち、けれども『生かされた』とは未だに思えない」とのお言葉が心に刻まれました。解体か保存かで議論が続き、2019年に解体された大槌町 旧役場庁舎跡地で追悼のお勤めをしました。釜石市根浜海岸の宝来館では女将の岩崎和子さんが迎えて下さり、夕食後、女将が震災発災から現在までを語られました。宝来館のある鵜住居(うのすまい)地区には住民の意向により新たに巨大防潮堤は造られず、宿の玄関から海と日の出を拝める何度でも訪れたい宿です。

 19日は山田町(捕鯨基地でした)で、震災後の休館を経て2017年に再び開館した「鯨と海の科学館」を訪ねて鯨の生態を学び、山田湾展望広場で追悼のお勤めをしました。宮古市の浄土ヶ浜を訪れ、その名に相応しい白い浜辺と奇岩の美を堪能し、遊覧船に乗りました。JR盛岡駅で解散する直前には、1924年(大正13年)に宮沢賢治の生前唯一の童話集「注文の多い料理店」を発刊し、社名も賢治によって名付けられた光原社本店に立ち寄り、祈りの旅を締めくくりました。

                            合掌  梶田真章


「朝日カルチャーセンター京都教室」
講座『阿弥陀佛の物語を聞く』

 7月 3日(水)、 8月 7日(水)、 9月 4日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

 (オンラインでも受講できます)

於 朝日カルチャーセンター京都教室
(河原町通四条下ル西側 京阪四条河原町ビル2階)

受講料 8910円

会員のみが受講できます。

入会金は5500円ですが、70歳以上の方の入会金は不要です。

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都へ
Tel.075-708-2385


「佐藤 優・本村凌二著『宗教と不条理』(*)を読む」
第1回

(*)幻冬舎新書

 7月 4日(木)

午後1時半〜3時45分 

於 本坊

第一部『蘇った宗教戦争』を題材に語り合います。

テキストを事前にお読み下さい。

参加料 御志納

(テキストをお持ちでない方は別に1000円が必要です。)


「祈りから光へ」
〜木々と空といのちが和するとき〜

 7月 6日(土)

午後5時(4時半開場) 

於 方丈

鐘 和編鐘演奏:ゆきね(有機音)  
笙:伊藤えり
祈:梶田真章

参加料:前売 3500円、当日 4000円

チケットお問い合わせ先

有機音工房
yukine.koubo@gmail.com
Tel.070-5373-7136
Fax.042-743-7136


「創作浪曲『医師・中村 哲』」

 7月 7日(日)

午後6時
(5時半開場、7時半終演) 

於 方丈

出演


浪花の歌う巨人・パギやん(趙 博)

曲師:沢村道世

プログラム


            1.パギやん「ミニ・ライヴ」

            2.前編「医者、井戸を掘る」

            3.後編「マルワリード用水路」

入場料:投げ銭

ご予約は e-mail:info@tamazo.org(Tel.090-8146-1929)まで


「東北関東大震災 物故衆生 月忌追悼法要」

 7月11日(木)

午前11時 

参加料 御志納

於 本堂

 地震発生から13年4ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり 下さい。

 志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付いたします。


「『地球交響曲(ガイア シンフォニー)第六番』上映会」

 7月13日(土)

午後1時半〜3時37分
(1時15分開場) 

於 本坊

監督


龍村 仁 

出演


ケリー・ヨスト(ピアニスト)
ラヴィ・シャンカール(シタール奏者)
ロジャー・ペイン(海洋生物学者)

鑑賞料:一般 1000円、大学生 500円、高校生以下は無料 

定員50名

満席になり次第、締め切ります。


「梶山雄一著『菩薩ということ』(*)を読む」
第1回

(*)法蔵館文庫

 7月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 御志納
(テキストをお持ちでない方は、別に1100円が必要です。)


「放生会(ほうじょうえ)」

 7月25日(木)

午前10時半 

参加料 御志納

於 本堂

 生命尊重の精神(不殺生戒の心)を示すため、鯉を入れた桶を本堂の縁側において法要を厳修し、鯉を池に放ちます。

 粗餐呈上いたします。

事前申込制

ご参加いただける方は7月20日までにご連絡下さい。


「第328回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 7月26日(金)

午後3時〜5時45分 

参加料 御志納

於 本坊

お申し込み不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

第1部 午後3時〜3時半


      おつとめ  本堂でご一緒にお経と念佛を唱えます。


第2部 午後3時半〜4時半


    おはなし  「『阿弥陀佛の物語を聞く』その4」

    梶田真章


第3部 午後4時45分〜5時45分


    落語

    出演  桂 團朝 師(米朝師匠の直弟子)


「第20回 善気山遊びの寺子屋」
〜おてらで なんか やったはる〜

 7月28日(日)、29日(月) 

内容は別紙の案内チラシを御覧下さい。

案内チラシをご希望の方はご連絡下さい。

 受付、会場での見守りなどをご担当いただくボランティアスタッフを募集しています。

 お手伝い下さる方は、法然院森のセンター・フィールドソサイエティーまでご連絡下さい。 (Tel.075-752-4582)

法然院森のセンターのホームページにチラシが掲載されています。
http://fieldsociety.la.coocan.jp


2024年の主な行事予定


 2月15日     「涅槃会」

 3月14日     「善導大師忌」

 4月 1日〜 7日 「春季伽藍内特別公開」

 4月 8日     「灌佛会(花まつり)」

 4月29日     「一日授戒会」

 6月25日     「中興第1世 萬無和尚忌」

 7月25日     「放生会(ほうじょうえ)」

 8月24日     「地蔵盆」

 9月10日     「廣布薩(こうふさつ)」

11月10日     「中興第2世 忍澂和尚忌」

11月18日〜24日 「秋季伽藍内特別公開」

12月 8日     「成道会」

12月31日     「除夜会」

*毎月26日     「善気山念佛会」(12月を除く)


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

2024年 7月 1日

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689
Fax. 075-752-1083
E-mail:byakurenja25@docomo.ne.jp
または
E-mail:byakurenja1212@gmail.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://fieldsociety.la.coocan.jp/


郵便振替口座

口座記号番号:01050ー4ー60318

加入者名:本山獅子谷法然院(ほんざんししがたにほうねんいん)


ゆうちょ銀行 一〇九(イチゼロキュウ)店

当座預金 口座番号:0060318

名義:本山獅子谷法然院


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お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420 FAX: 075-752-1083
E-mail: byakurenja1212@gmail.com